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「おそらく、留守電を聞いた限りでは、
その『例の物』っていうのは、
何かの映像データだと思うの。
だから…。私ね。
…あの仕事部屋に忍び込んで、
白井くんが隠しているその
データを探し出そうと思ってるの」
わたしは目をまんまるに見開いた。
「忍び込むって…。
そんなことして、大丈夫なんですか」
「だって、…鍵は
取り上げられちゃってるし、
訪ねて行っても部屋に
上げてくれないし。
あとは、忍び込むしか
方法がないでしょう?」
「だけど、いくら知ってる人の
部屋だからって、勝手に――」
「白井くんの命がかかってるのよ」
ずしりと重みのある言葉に、
わたしは口をつぐんだ。
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