-3-

12/16
前へ
/36ページ
次へ
「おそらく、留守電を聞いた限りでは、 その『例の物』っていうのは、 何かの映像データだと思うの。 だから…。私ね。 …あの仕事部屋に忍び込んで、 白井くんが隠しているその データを探し出そうと思ってるの」 わたしは目をまんまるに見開いた。 「忍び込むって…。 そんなことして、大丈夫なんですか」 「だって、…鍵は 取り上げられちゃってるし、 訪ねて行っても部屋に 上げてくれないし。 あとは、忍び込むしか 方法がないでしょう?」 「だけど、いくら知ってる人の 部屋だからって、勝手に――」 「白井くんの命がかかってるのよ」 ずしりと重みのある言葉に、 わたしは口をつぐんだ。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加