331人が本棚に入れています
本棚に追加
塾の授業が終わり、
外に出た時には、
既に陽が落ちかけ、
薄暗くなっていた。
冷たい風に吹かれ、
思わずバッグを
身体の前で抱きしめる。
――今日は、全然
集中できなかったな…。
白井さん宛ての恐ろしい
留守電の内容と、レナさんの
『作戦』のことがちらついて、
勉強に全く身が入らなかった。
とりあえず、わたしが今日、
白井さんに電話をして、
さりげなく仕事のスケジュールを
確認するということで、
レナさんとは別れたのだけれど…。
…ていうか…。
…さりげなく、とか、
…私にできるのかな…。
『萌ちゃんなら出来る!』と
根拠のない太鼓判を
力強く押されたけれど、
…時間がたてばたつほど、
そのレナ判の効力が薄くなっていく。
最初のコメントを投稿しよう!