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紅茶にミルクを注ぎ、 スプーンでかき混ぜたところで、 自動ドアの開く音が聞こえた。 振り向くと同時に、 来客を告げるチャイムが ファミレス店内に響く。 ランニングウェアに 身を包んだレナさんが 入って来て、キョロキョロと 中を見回しているのが見えた。 わたしが手を上げると すぐに気付いて、笑顔で こちらに向かって来る。 「ごめんね、土曜の朝から 出て来てもらっちゃって」 レナさんは向かいに腰かけると、 ランニングキャップを外し、 髪を軽く整えた。 「いえ、こちらこそ、 こんな時間しか空いてなくて すみません」 「ううん、私は ランニングタイムだから ちょうど良かったの。 塾の時間もあるし、 11時すぎには解放するわね」
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