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水を運んで来たウエイトレスに
ホットコーヒーを注文すると、
レナさんはソファに
身体を預け、足を組んだ。
少し幼く見えるのは、
ノーメイクのせいだろうか。
ほんと、綺麗な人だなあ…。
初めてすっぴんを見たけれど、
目鼻立ちの美しさは
それでも全く変わらない。
レナさんはさりげなく周囲を見回し、
他人の耳が無い事を確認してから、
テーブルに身体を乗り出した。
「白井くんには、
何も言ってない?」
抑えた声に、わたしも
さらに声を落とした。
「はい。…あれから
連絡も取っていないので…」
レナさんは真剣な顔で頷いて、
「今日、私とここで会ったことも、
…これから話すことも、
…白井くんには内緒。…いい?」
「…わかりました」
緊張で、自分でも
顔がこわばるのが分かる。
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