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「…どう話したらいいかな…」
レナさんは少し考えてから、
「まず、…白井くんの仕事が
フリーライター、ってことは、
知ってるわよね」
「はい」
「彼がいる世界って、もともと、
合法と非合法の境目を
行ったり来たりしてる
部分があるの。
…それは、理解できる?」
「…はい…」
確かに、取材のために
学校に忍び込むことも、
嘘をついて夜の病院に
入り込むことも、立派な罪だ。
「彼が扱う物は、
他人の『秘密』だったり、
『知られざる真実』だったり
するでしょう。
ということは、どうしても、
彼が掴んだ『何か』の存在によって、
不利益を被る人間も
出て来るわけ」
「…はい…」
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