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白井さんの今までの 行動を思い返せば、 真実を掴むためにそうやって 危ない橋を渡ることは、 充分想像できる。 「もし、…… 白井さんがそんな 危ないことしてるなら……」 焦燥感に襲われ、つい早口になる。 「今すぐ、止めなきゃ。 レナさん、そのこと、 白井さんに直接言ったんですか」 「もちろん、言った。けど…」 レナさんは、言いづらそうに 口元を歪めた。 「逆に、怒られちゃって…」 「怒られるって…どうして?」 「うん…。…そもそも、 私がこのことに気付いた きっかけっていうのが、問題で…」 レナさんが、 しょんぼりとうなだれる。 「私、白井くんの仕事には 一切口出ししないし、 首を突っ込まないって 約束してるのね。 …それなのに…。 この間、仕事場を掃除してる時に、 つい、聞いちゃったのよ。 チカチカしてたから、気になって…」 「…何を、ですか」 「留守電…」 「留守電?」
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