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お風呂から上がり、
バスタオルを肩にかけたまま
リビングに入って行くと、
祐希がダイニングテーブルで
バニラアイスを食べていた。
「ねーちゃん、
今まで入ってたの」
ほかほか湯気を立てる
わたしを見て、目を丸くする。
「もう1時間経ってるじゃん。
湯船で寝てたの?」
「ううん…違う。
…考えごと…」
湯船につかりながら先生との
夢のような時間を思い出して
うっとりし、
レナさんの作戦について心配し、
笹森さんのことで落ち込み、
白井さんのことで
やきもきしているうちに、
――こんな時間に
なってしまった。
さすがにのぼせかけたわたしは、
アイスを求めてふらふらと
冷蔵庫に向かった。
扉を開け、奥まで覗き込む。
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