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ケーキの威力に、一瞬、
作戦のことが頭から
飛んでしまった。
わたしが挙動不審な
視線を向けると、
…白井さんはそれには
気づかない様子で、
やけに難しい顔をしていた。
「…レナちゃんは…たぶん、
来てくれないだろうね。
今は俺の顔、
見たくないんじゃないかな」
急に声のトーンが低くなったので、
わたしは戸惑った。
空気が変わってしまった事に
気付いたのか、白井さんは
すぐに笑顔を作った。
「そうそう、あとね、
スリッパまで新しくしたんだ。
…はしゃぎ過ぎだよね、俺」
白井さんのぎこちない
笑顔を見ながら、わたしは
レナさんの言葉を思い返していた。
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