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決心が揺らがないよう、
ぎゅっと目を閉じていると、
ごと、と目の前で音がした。
目を開けると、
ガラステーブルの上に、
こちら向きで開かれた
ノートパソコンが置かれていた。
わたしの隣に
白井さんが回り込み、
ギシ、と音を立てながら、
並んで腰掛ける。
ソファが一気に沈み込んで、
わたしは白井さん側に
倒れ込みそうになり、
慌ててバランスを取った。
白井さんがタッチパッドに
指を滑らせ、再生ソフトを起動する。
緊張のあまり息苦しくなり、
わたしは密かに深呼吸をした。
パソコンを操作する手が
止まったので、
ふと目を上げると、
そんなわたしを白井さんが
じっと見つめている。
「…大丈夫?」
わたしは、がくがく、と
不自然な首の動きで頷いた。
「…はい…」
「じゃ、…流すよ」
「…はい…」
白井さんが『再生』のボタンを
クリックすると、…パッと画面に
出て来たのは、
――どこかの室内のようだった。
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