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「えぇ!?」
「まぁ、いつとかはっきりとは言えないけど。萌優自身に惹かれる部分はたくさんあったよ、ずっと」
「もぉ。こ、こんなタイミングでそんなこと言って。お、おだてたって、何にも出ませんからねっ」
恥ずかしくなりすぎて、妙に反抗的な態度をとると、またククッと笑われた。
何を言っても、私に勝ち目はなさそうだ。
「いいよ、出てこなくて。萌優がいれば、それでいい」
「……ばか」
回された腕をキュウと抱きしめると愛しさが募る。
今日よりも明日。
明日よりも明後日。
私は、彼に想いを募らせていくんだって感じる。
「今年も、俺の傍にいてくれて、良かった」
ホッとしたように彼がそう言うから私はクルリと反転すると、ぎゅっと両手を掴んで言った。
「刻也さん、それは違います!
「え?」
びっくりして目を見開く彼に、私は続けて想いをぶつける。
「今年だけじゃなくて、ずっとですよ。来年も再来年も、その先も。私はずっと隣に居ますから」
「そう、だな……」
ふわっと笑って、私の手をきゅっと握り返してくれた。
私の想いが伝わったんだと嬉しくなる。
その瞬間、何かが見えた。
「あ……」
目を見開く私に、訝しげな表情を浮かべた彼が尋ねる。
「どした?」
「あの、あのねっ!」
「お、おぉ」
手を離して、彼の二の腕を両手でガシッと掴むと、興奮が止められなくて捲し立てるように叫んだ。
「見えました! 永遠!!」
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