結:結ぶ恋(続き3)

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 「は……?」  「やっと。やっと分かったの!」  嬉しくて、顔がにやけて止まらなくて、そのまま彼の首に両手を回して抱き着く。  「ずっと、ずっと隣っ」  私はそう言って、嬉しさのあまりキスをした。  「え……?」  私の行動にも言葉にもついて行けない刻也さんは、ただ茫然と立っている。  その表情すら愛しくて、笑みが零れる。  嬉しさを噛みしめて、私はゆっくりと説明を始めた。  「来年の今日、再来年の今日の刻也さんを思い浮かべるでしょ? そしたらね、必ず私がいるんです」  「萌優が?」  「そうなの。刻也さんのことを想像してるはずなのに、私が浮かぶんです。それは、明日も明後日もその先も、おじいちゃんの刻也さんでも。多分私、隣に居ます。だから」  「『あなたをおもうたび、いちばんじかに永遠をかんじる』……だな。そっか。うん……分かった、そうだな」  私の伝えたいことが伝わって、刻也さんは晴れ渡るような笑顔を見せた。  相手を思っているとずっと向こうが見える。  ずっと先に生きる自分が。  未来は何も分からないのに。  でも変わらないもの。  それは「あなたの隣に居る私」。  だから、永遠を……あなたを想うたびに感じるんだ。  それがあまりにも素敵で、私は涙が零れた。  「刻也さん……」  ポロリと涙を零して見上げると、彼の目も赤いことに気が付いた。  先に生きる私を想って、刻也さんにも見えたんだろうか? 共に生きる自分の姿が。
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