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同じクラスの松本冬哉は書記をしている。
机を挟んで冬哉の前に立つのは同じく同じクラスの梅本秋穂。
彼女は生徒会長だ。
自ら手を上げ立候補した。
クラスのみんなは何も言わず、拍手した。
それと同時に彼女は冬哉を書記へと推薦した。
この時もクラスのみんなは何も言わずに盛大な拍手を送った。
二人は押しも押されもしないクラスの人気者だ。
二人は、机の上に置かれたノートらしきものに何か書き入れながら、顔を見合わせている。
誰かが冗談でも言ったのだろうか?
二人はお互いを見つめ合いながら笑い合った。
しばらくすると秋穂が冬哉の前からいなくなった。
冬哉は前を見たまま器用に手のひらでペン回しを始めた。
何か考え事をしている時の仕草だ。
テストの最中よく見かける。
秋穂が冬哉の前に帰ってきた。
冬哉はやさしく微笑んで、またノートに何かを書き込み始めた。
「……」
春菜はそのうつむき加減の横顔に見惚れて、本を落としそうになった。
(危ない、危ない)
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