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そんな春菜の方をクルリと向き直りその男子生徒が大声で
「ねぇ、ちょっとあんた、売店で焼きそばパンとコロッケパンと焼きそばパン、買っておいてくれないか?」
急に声を掛けられ
「私?」
と、自分を指さした。
「そう、頼む」
彼はそう言って、また走りだし、向かい校舎の中に消えていった。
「……」
(もしかして、わたし、パシリを頼まれた?)
こんな時間にパンなんて売り切れているはずだと思い、無視しようかと考え
たが、一応売店で聞いてみることにした。
教室に向かうには、売店の前を通らなければならない。
一分でも多く、あの教室には居たくない。
そんな言いわけだったが、見ず知らずの子のパシリを引きうけることにした。
売店には昼の営業時間を終えて、後片付けをしている小太りのおばさんがいた。
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