第1話

7/171
前へ
/171ページ
次へ
「すいませーん。焼きそばパンとコロッケパンと焼きそばパン残ってますか?」 「焼きそばパン二個とコロッケパン一個ね。もしかして、剣道部の子の分かい?」 (しまった。あの男子の言ったとおり復唱してしまった) 「剣道部かどうかわからないけど、背の高い男子かな」 「うん、分かった。分かった。別にとってあるから。はい、390円ね。遅いから、持って帰るとこだったよ。あの子はいっつも忙しい子だね」 「そうなんですか?」 「ああ。結構有名な子だよ」 「へえ」 適当な相槌をうちながら、春菜はガサゴソと鞄から財布を出してお金を支払った。 パンが入った袋をもらい、教室へと向かった。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

375人が本棚に入れています
本棚に追加