第1話

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その声に反応した夏騎は名残惜しそうに春菜から離れて同時に春菜を抱き起こしてくれた。 抱きしめたまま耳元で 「あーあー。生殺しかよークソッ」 「ごめん。お父さん帰ってきたし…今日は嫌だ」 「今度…絶対に俺んち来いよ」 眉間の皺が怖い。 思わず 「うっうん。分かった…」 「「ダッダッダッダッ ダダン  ダッダッダッダッ  ダダン」」 ターミネーターの音が聞こえる。 今朝買ったばかりの夏騎の携帯がテーブルの上の筆記用具の横で鳴っている。 夏騎は春菜から離れて慌てて携帯を取る。 「はい、はい。今ですか?今友達の家に居るんですけど。今晩ですか?七時過ぎなら稽古に顔出せますけど。ケーキですか?はい、大好きですけど。いいんですか?はい。分かりました」 夏騎は大きなため息をついて春菜を見つめた。 そして、いつの間に外したのかカチャカチャとジーンズのベルトを直し始めた。 春菜も急いでブラのホックを留めてブラウスのボタンを元に戻す。
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