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「~~とにかく!私は首だけになったりしないの!」
そうよ。これだけは確か。
私はちゃんと言い切る。
「……」
女王さまは何となく寂しそうに鎌を下ろした。
「だったらアリス。その猫をわたくしに預けましょう」
「え?」
私のチェシャ猫を抱える腕に力が入る。
「その猫はアリスの望む時にアリスを首だけにしてくれないし…。何より猫だもの。まずはそうしましょう」
「でも…女王さま、私がチェシャ猫を預けたらチェシャ猫をどうするの?」
「忌ま忌ましい猫はそれでも一応猫だもの。大丈夫よアリス」
「猫も美味しいからなぁ…」
また帽子屋が言う。
「美味しいって…。だから、食べたこともないのに…」
「アリス。猫が美味しいのは当然だよ」
「…そう…だったわね。私には理解出来ないけどそれが当然なのよね…」
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