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「亜莉子。おばあちゃんな、来週から検査入院で2週間家を留守にするんだ」
叔父さんが私に言った。
「俺もおばあちゃんの側で色々してやらなきゃいけないし、仕事もある。一人でも平気か?」
「うん。大丈夫。検査入院って面会出来るんだよね。私も時間があるときは行ってもいいんでしょ?」
「ああ。助かる」
その数日後、私は学校帰りに武村さんに会い、世間話のつもりでそのことを話してしまった。
その結果。
その間武村さんが私を引き取ると申し出て、叔父さんと話し合いをし、叔父さんは渋々武村さんに私を預けた。
その時の条件のうちの一つに、私の部屋に鍵をつけることが決まりだった。
最初、私は何故叔父さんが武村さんを訝るか分からなかった。
でも、今なら分かる。
何と無くだけど分かる。
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