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「やっぱり良い声してんなぁ、ユウ。つい聞き惚れてしまったぜ。同性愛に目覚めてしまったらどうしよう。やっぱり俺……いや、ワタシが女役になるのかしら?」
ハルキが首を傾げてユウに聞いた。そして机の上にある2本目のマイクを取ると、両手を口に当ててぶりっ子らしいポーズをとる。
「なら次はワタシがAK◯48を、本人に負けないように可愛く歌いまぁす」
ユウはマイクをぶらんと手に下げて唖然としていた。
「相変わらず全力運転で気持ち悪いなぁ、ハルキは……」
「私というものがありながらユウに惚れるなんてキッーー!悔しい……」
ソファで座っているくるみはどこから取り出してきたのか、ハンカチを噛んで引き裂かんばかりに伸ばしていた。
「いつものくるみじゃない……」
みかんは顔を真っ青にして、隣にいたくるみと上半身だけ距離を取る。
そんなどこにでもあるような平和で笑いの絶えない会話がルーム全体に響く。
今日も相変わらず微笑ましい4人。この平和がいつまでも続くと皆思っていた。まさかこの平和がいとも簡単に崩れ去ろうなんて、どこの誰も思わないだろう。
そう、誰も思わない。
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