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ということは、虎太郎は北高か。
北高と中央高校は、制服が似ているって、聞いたことがあるし。
そう言えば昨日。
先にバスを降りたのは、S学園の私だった。
北高も中央高校も、その先にあるから、きっとそうだ。
───…
しばらくして。
“S学園前~”
アナウンスされると、ようやく私は解放された。
「雅ちゃん、また明日ねー」
「……っ」
明日も会うのかと思うと、気が重い。
虎太郎の言葉を無視するように、バスの昇降口に足を差し出した時だった。
「…………」
ドアの近くに立っていた蓮の姿が、目に留まる。
ふーん。
無口で愛想のない連のことだから。
どうせ私を無視す――─…
「……俺たちには近づかない方がいいよ、」
─────、
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