先輩のカノジョ

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「一石二鳥、つーか」 カバンを持った手を、肩に回す黒崎先輩。 「俺とおまえが “カレカノ”ってことにしとけば、誰も近寄って来ないし、文句も言わない」 「……え?」 「俺もおまえも、安泰ってヤツだろ」 …………、 こういうことを真顔で言う黒崎先輩は、いったいどういう人なんだと思うけれど。 確かに。そうかもしれない。 先輩のいうことは、正しい。 「なら、利害一致ってことで」 黒崎先輩が私に一度背を向けてから、顔だけ振り向いた。 「いいか、とりあえず明日もここに来いよ」
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