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いや、そんなこと、あるはずない。
──でも。
頭の中で自問自答しながら、半信半疑の状態で歩いていると──
いつの間にか、バス停に着いていた。
「捻挫なんて ほんと最悪…」
すべては、飯沢さんの誤解から始まった出来事だとしても。
玄関で黒崎先輩が、私を彼女だと宣言した途端、手のひらを返したように去って行った飯沢さん。
…………。
いくら目立つ先輩だからって。
飯沢さんの、あの態度と慌てぶりは、普通じゃない。
それだけ黒崎先輩という人には、人を近づかせないような。
相手を一瞬でひれ伏せてしまうような、威厳みたいなものだとか。
そんなオーラが、あるような気がした。
──そう。
ぶるっと、身震いするくらいの。
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