5907人が本棚に入れています
本棚に追加
「やめとけ、虎太郎」
彼の背後から、また別の低い声がした。
コタロウ……?
最初に私へ、声をかけてきた彼は、“虎太郎”という名前のようで。
「うるせーよ、おまえのせいでいつも女と仲良くなれねーじゃん、蓮(レン)」
そして。
その虎太郎から“レン”と呼ばれたもうひとりの彼は。
「…………」
見た目は、黒髪でまともそうだけど──
隣りの、賑やかな男子と一緒にいる時点で、どうなんだろう……。
「ねぇ名前、なんて――」
「…もうバスが来たから、いいだろ虎太郎」
最初のコメントを投稿しよう!