太陽と月

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「やめとけ、虎太郎」 彼の背後から、また別の低い声がした。 コタロウ……? 最初に私へ、声をかけてきた彼は、“虎太郎”という名前のようで。 「うるせーよ、おまえのせいでいつも女と仲良くなれねーじゃん、蓮(レン)」 そして。 その虎太郎から“レン”と呼ばれたもうひとりの彼は。 「…………」 見た目は、黒髪でまともそうだけど── 隣りの、賑やかな男子と一緒にいる時点で、どうなんだろう……。 「ねぇ名前、なんて――」 「…もうバスが来たから、いいだろ虎太郎」
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