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「雅ちゃん、降りないの―?」
「……、」
「バス、止まったけど」
窓の外を、指差した虎太郎。
「あ、」
釣られて顔を窓の外へ向ければ、いつものバス停が見えた。
「降りますっ、ここで降りますから、」
慌てて手を上げ、運転席へ合図する。
「あ、もう俺がボタン押してる」
「えっ、押して…」
虎太郎が
「雅ちゃんもここでしょ」
なんて言いながら、私の背中をツンツンと押した。
そのまま虎太郎に促されるようにして、降りたバス。
っていうか。
虎太郎と私って、降りる場所が一緒だったんだ……!
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