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俺に続いてビールをグッと飲み干し、お代りを注文してやろうと振り返った俺の腕を掴み制止してきた。
驚き見ると、いつになく真面目な顔で一瞬ドキッとしてしまった。
俺は注文をするのを止め、ゆっくりと佐藤の方に向き直る。
佐藤は意を決したように深い息をひとつ吐くと、重い口をやっと開きだした。
「相談じゃないけど、ちょっと聞いて欲しい事があるんだ……」
こんなこと初めてで驚きと、佐藤には悪いが興味心が疼いてしまった。
早く先を知りたいと焦る気持ちを抑えようとするが、無意識のうちに身体が前のめりになる。
そんな俺に躊躇いの色を見せ、一瞬話すのを迷ったみたいだったが、続けて話しだす。
「実は少し前から気になっている子がいるんだけど……」
佐藤の言葉に俺は不覚にも動揺し、手に持っていたビールをテーブルの上に落してしまった。
不幸中の幸いにもビールはすでに飲み干していて溢さずには済んだが、小鉢を溢してしまう。
「何やってんだよ」
慌てて直す俺に佐藤は呆れ笑いを浮かべながら自分のおしぼりを投げ渡してくれた。
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