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「え!?三上さんって結婚してなかったの?」
私の話に容子は予想通り、目を見開き驚きの声を上げた。
「うん。志帆が聞いたら結婚はしていないって言ってた……」
今さら悟の事を相談することに迷いはあったが、ずっと心のモヤモヤが消えず自分ではどうすればいいのか分からなくなっていた。
こんな事に巻き込んで申し訳なく思うが、悟との事情をよく知る容子にしか相談できないのだ。
「それって離婚したってこと?」
少し苛立ちの色を見せながら深く追求してくる。
「詳しくは聞いてないから分からないけど、多分違うと思う」
容子の気迫にやや押され気味になりながら、私はあの時の事を思い出しながら話す。
「え!?じゃあ、あの女と結婚しなかったってこと?」
容子の言葉遣いが徐々に荒々しいものへと変わっていくのが分かる。
あの時どちらが悪いかなんて考える余裕もなかったが、容子の中で完全に仇的な存在としてインプットされているようだ。
「そうなるね……」
頷きながらも私自身、話が見えず腑に落ちない事だらけのため答えに困る。
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