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「は?意味が分からない。で、三上さんは何もなかったように普通なんでしょ?」
呆れたように鼻で軽く笑うように言いながら顔は明らかに怒っている。
「うん、何があったんだろうね……」
あの時の悟の言葉は私と別れるための嘘だったんだろうか。
それとも相手の人とすぐに上手くいかなくなったんだろうか。
もう過去のこと……
終わった人とのことって分かっているのに気になる―――胸のざわつきが治まらない。
「気になるんだ……三上さんのこと」
頬杖をつきながらため息交じりに呆れ気味に溢す。
「そういう訳じゃ……」
慌てて否定しようと思ったが、言葉が最後まで出てこない。
―――否定しきれない私がいた。
決して悟に未練や恋愛感情があるわけではない。
ただ……
悟を見ていると2年前の私がひょっこり顔を出してしまうような、妙な感覚にとらわれてしまうのだ。
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