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---あっ。
特に探す手間もなく、いとも簡単に悟の姿を見つけてしまったことに動揺してしまった。
私の姿に気づき軽く手を上げかけたが下ろし、代わりに苦笑いのような複雑そうな笑みを見せる。
「お待たせ」
私も悟につられるようにぎこちない笑みで返しながら側に歩み寄る。
「立ってないで座ったら?」
テーブルの傍らに立ち尽くす私を笑いながら座るように促す。
「うん……」
躊躇いながらも私は悟に促されるままに席に着く。
―――すごく落ち着かない。
また悟とこの店で……
この席で……
向き合っているなんて、すごく不思議で何だか居心地が悪い。
「―――話って何?長く居るつもりはないから……」
言われるより先に自分の意思を伝え悟を牽制する。
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