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咲穂との時間は俺を癒してくれた。
仕事とプライベートのオン、オフはやっぱり大切なんだと染々痛感さ、自分に心休まる場所があることが嬉しく感じた。
「おはようございます。---そんなに露骨に嫌な顔をしないでくださいよ」
不意に相原の声がし、振り返った俺に相原が少し口元を尖らせる。
そんなつもりはなかったんだが、どうやら顔に出てしまっていたらしい。
「おはよう……別にしてないよ」
とは言ってみたものの今も自分の顔が引きつり気味なのが分かる。
「そんなに邪険にしないでください。ほんの冗談だったんですから」
引き気味な俺に動じることなく軽く笑い飛ばしてくる。
「そうだったな」
呆れたように溢すと俺は相原から逃げるかのように足早にオフィスへと向かう。
「待ってくださいよ」
逃げる俺をどこか楽しそうに相原が追いかけてくる。
「お、朝からご機嫌斜めだな」
何とか追いつかれることなくオフィスに入れたと思った矢先、もうひとつの悩みの種がまた陽気に話しかけてきた。
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