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何とか思ったより早く仕事を終わり、私は近くのスーパーで買い物をして家路を急いだ。
共働きだということに甘え、最近あまり作れていない気がする。
「まだ帰っていないかな……」
時計を見ると19時を少し回ったくらい。
さすがにユキもまだ帰ってきていないだろうと思いつつも気づくと小走りになっていた。
少し息を弾ませながら鍵を開けると、消えているはずの明かりが灯っていてユキの靴が並べられいる。
「ユキ帰ってるの?」
最近は割りと早めに帰ってきているが、さすがにもう帰ってきているとは思わず、驚きながら慌てて靴を脱ぎ中へと進む。
リビングのドアを開けると、すでに家着に着替えたユキがソファーに座りテレビを見ていた。
「お帰り」
あまりの早さに驚き、声を掛けるのも忘れ立ち尽くす私をユキは可笑しそうに笑う。
「ただいま……。早かったんだね、びっくりした」
テーブルの上には広げられた新聞とコーヒーカップがあり、見た感じ少し間に帰ってきたとは思えないくらい、くつろぎ感を漂わせている。
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