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※
---危なかった。
何とか誤魔化せたみたいだが、つい相原とのやり取りを思い出し、咲穂と居るにも関わらず、ため息が漏れてしまった。
咲穂と2人で居るときは2人の時間を大切にしたいと思うのに……
反省の念に苛まれながら俺はテレビに視線を置き続けた。
それにしても面倒だ。
悪いことは重なるものだ、とはいうが本当にその通りだと思う。
最近、大人しかったはずの相原が変に絡んでくるし、佐藤もソレに気づいて妙に勘ぐりを入れてくる。
いっそ俺抜きで2人で騒いでていいのに……
もしくは佐藤と付き合ってくれたら一気に問題は解決するような気はするが、相原のあの様子じゃ無理だろう。
どちらかというと佐藤を避けている?
いや、毛嫌いしているようにさえ感じてしまう時がある。
―――さて、どうしたものか。
2人とも仕事仲間で、根は悪いヤツじゃないと分かっている分、対応に困る。
助けを求めるかのようにチラリと咲穂の方を見ると、ちょうど目が合ったせいか微笑み返してくれた。
やっぱり咲穂との時間が俺に癒しをくれている、と染々感じ、抱き締めたい衝動を感じたが今はグッと堪え、目の前のご飯を片付けることにした。
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