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縺れゆく歯車 #2
確かに私の方から"大変なんだね"と言ってしまったが、言葉のニュアンスの違いかな?
考えすぎなのかもしれないが、ユキの言い方が否定的に聞こえてしまったのが。
---もしあの夫婦が私たちだったら?
一瞬、立場を摩り替えて考えてしまった。
子供はあまり好きじゃないと言いながらも私との子なら欲しいというユキ。
あの時は嬉しかったのに、今の言動には不安を感じてしまった。
でもその不安もユキの次の言葉で、自分の勘違いだったことを知る。
「別にいつも連れて歩かなくても、たまには親に預けて2人で出かければいいじゃないか」
言われた瞬間、何のことを言っているのか分からなかったが、すぐにその意味を理解する事ができた。
私が勘違いしたようにユキもユキで、私が子供が出来たら2人でゆっくりと出掛けられなくなると心配しているのだと思ったようだ。
「そうだね。どこに行くのも一緒にって思ってたけど、たまには親に預けて2人でってのもいいね」
敢えて自分の思い違いは口にはせず、ユキの言葉に同調する。
もう少し先の未来だけど、こうして2人で同じ夢を思い描ける私は幸せなんだなってしみじみ感じてしまった。
そして自分が思っていたよりも、もう少し近い未来にその夢が叶えれたらなって思ってしまった。
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