1139人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
相原もまた、俺たちとは逆側のいつもの定位置を陣取りポーチからタバコを取り出し始める。
人の心理というか、習慣というか見ていて面白いものだと思う。
「あ、各務さん火貸してもらっていいですか?」
なかなかタバコに火を点けないと思ったら、どうやらライターを忘れたらしく俺に軽く手を合わせ頼んできた。
「ああ」
テープルの上に出しっぱなしにしてあったライターを取り相原に手渡す。
「ありがとうございます」
ライターを受け取ると慣れた手つきで火を点ける。
「タバコ止めたら?」
美味しそうに煙を吸い込む相原に横やりを入れる様な佐藤のキツイ一言が飛ぶ。
「放っておいてください。私の勝手でしょ?」
多少さすがの相原も後込みすると思いきや、佐藤に負けじと強気に言い返したのには驚かされた。
確かに自分は吸っているのに他人に止めろなんて、よく言えたもんだと聞いていて呆れる。
.
最初のコメントを投稿しよう!