存在 #2

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      * 珍しく咲穂から"何時に帰れる?"のメールに驚きつつ、それにつられるようにいそいそと帰ってきたはいいが、少し様子がおかしい。 「どうかしたのか?」 聞こえていたはずの包丁の音が止まり、ふと見ると何やら難しそうな顔でまな板を見ている。 「ううん、何でもない。ご飯もう出来るからね」 でも俺が尋ねると慌てて止まっていた手をまた動かしだした。 ―――やっぱり変だ。 とはいえ誰かに対して怒っているのでも、何かに対してイライラしているのでもない気がする。 ただ、どこか上の空というか何というか…… 夕方に着たメールでは、そんな感じはなかったのに帰ってきてみれば、こんなずっと感じ。 ボンヤリしているせいか、さっきからあまり料理も進んでいない気がする。 まぁ、それはどうでもいい…… ただ咲穂のことが心配なのだ。 様子を伺うように遠回しに探るのではなく、ストレートに聞けばいいのかもしれないが、どうも咲穂は聞かれたくはないみたいなのだ。 それでも俺はやっぱり気になるし放ってはおけないから、さっきから微妙なやり取りが繰り返されている。 「お待たせ、ご飯出来たよ」 もう一度、試みてみようと思ったが、咲穂の言葉に俺は出かかった言葉をのみ込まざるを得なかった。 .
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