存在 #2

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箸を進ませつつ咲穂の様子をチラリと盗み見る。 ―――いつもと変わりない。 美味しそうにご飯を頬張りながら俺に他愛もない会話をふってくる。 お腹が空いていただけなのだろうか。 人間、お腹が空きすぎると機嫌が悪くなるという。 咲穂のはソレとはちょっと違うような気はするが、とりあえず今は普通に会話を楽しみつつご飯を食べているのだから大丈夫だろう。 自分でも気にしすぎかな?と心の中で失笑し、久しぶりの2人の夕食を楽しむことにした。 ――… ―… 夕食を食べ終え、風呂を済ませた俺はソファーに座りテレビを見ながら、よく冷えたビールで喉を潤していた。 ―――至福の時だ。 家で寛ぎながらのほろ酔い加減が堪らない。 疲れが溜まっていたのか缶ビール1本で、ちょっとまわってきている。 俺はそのほろ酔い加減を楽しむようにソッと目を閉じた。 .
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