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「－－－うん……」
躊躇いがちに答えると俺から視線を逸らし、苦い顔をした。
俺は急かすことなく咲穂が自ら話すのをジッと待っていると
「実は……」
咲穂が重い口をやっと開き、ゆっくりと話しだした。
－－－俺には分からなかった。
何で咲穂が志帆という子のことでココまで思い悩んでいるのかを。
はっきりいって所詮、他人事。
しかも話を聞いていると、その志帆という子は彼氏と何の問題もなく付き合っている。
というか、俺からしたらノロケ話を聞かされているようにしか思えなかった。
俺が冷たいのかもしれないが女は必要以上に他人のことに感情移入し過ぎな気がする。
｢大丈夫だろ。話しを聞いてる分には、そんなに気にすることない気がするけど……｣
咲穂が少しでも安心できるように……
慰めるように……
優しく頭を撫でると、咲穂は気恥ずかしそうに笑みを溢し、迷い勝ちに小さく頷いた。
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