存在 #2

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もう少し言葉を選んで欲しいと訴えようとしたが、間を入れず志帆がまた言葉を続けだす。 「まぁ、私の場合は咲穂さんよりもずっと複雑なんですけどね」 意味ありげな言葉をポツリと口にすると頬杖をつき、小さなため息をついた。 「---志帆?」 予想以上にダークな雰囲気に聞いていいものか分からず、様子を伺うと 「実は今、私が付き合ってる人ってバツイチなんです」 急にパッと表情を変え、自ら話しだした。 志帆の話を聞いて、もしかしたらって思っていたけど、まさか本当にそうだとは…… でも実は私が一番驚いていたのは"今の話"よりも志帆に"彼氏"が居た事。 自分の事でいっぱいいっぱいだったせいか、志帆から男の気配を感じたことはなかったのだ。 言葉を失う私に志帆は更に信じられない言葉を吐いた。 「しかも元妻が一緒の職場にいたりするんですよ。ありえなくないですか?」 「えっ!?」 まるで昼ドラのような非現実的な話に思わず驚きの声を上げてしまった。 .
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