見えない気持ち

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※ ――咄嗟に出てしまった言葉に驚きを隠せなかった。 動揺しながら平静を装い続けることが、こんなにも辛いものだなんて初めて知った。 胸がズキズキと痛む。 私の嘘に笑うユキを目の前に私は居たたまれなさと罪悪感のような感覚に襲われていた。 「悪い。会ったのは数回だけど咲穂の話も聞いているから、つい……」 自分では気づかったが、顔に出てしまっていたようだ。 「ううん。携帯を見た瞬間、私も思っちゃったもん」 ――誤魔化すために、また嘘をついてしまった。 心の中で志帆に謝りながら胸のモヤモヤをどうにか消し去りたくて目の前に置かれていた水を一気に飲み干す。 「ユキ、そろそろ帰ろう。やっぱりちょっと飲み過ぎたみたい」 少しでも早く話題を逸らしたくて…… 少しでも早く外の空気が吸いたくて…… ユキたちが思っているほど酔ってもいないくせに私は酔ったふりをして、帰りたいとユキに申し出て神崎さんの店を後にした。 .
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