後悔

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「――ユキ?寝ているの?」 耳に届いたのは遠慮がちな咲穂の声と、ゆっくりと近づいてくる足音。 その声に多少の後ろめたさは感じたが、どうしても身体を起こして何もなかったように咲穂と会話を交わすなんてできなかった。 ベッドの端に手をついたのがスプリングの微かな軋みで感じ取ることができた。 「ユキ?」 全く反応の示さない俺に咲穂はが確認するかのように、もう一度、俺の名前を呼ぶ。 でも俺は、その声にも答えることなく寝たふりを貫き通す。 咲穂の顔が近づいたのか、微かなアルコール臭が俺の鼻をかすめ、さっきの光景を思い出させ俺の心をざわつかせた。 すぐに部屋を出て行くと思っていたのに、何故か咲穂はベッドの端に座ったまま動こうとしない。 でも暫くして微かに咲穂が動くのを感じ、やっと一人になれると思った矢先、不意に咲穂の気配が急に近づくのを感じた。 静まり返った部屋にもかかわらず聞き逃してしまいそうなくらい小さな声で、咲穂は耳を疑うような言葉を口にする。 「――ごめんね……」 .
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