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「お疲れ様」
何故この店に連れてこられたのか気にはなったが、とりあえず労いの言葉と共に乾杯。
主賓が酔っ払いの世話なんて悲惨にもほどがありすぎる。
「ありがとう。咲穂こそお疲れ様。随分助かったよ」
昔は悟の足ばかり引っ張っていた記憶しかなかったが、こんな私でも少しは役に立てたのかな?と思い、悟の言葉は嬉しかった。
「いつ向こうに戻るの?」
「うーん、今月いっぱいはこっちに居る予定だけど、色々あるから会社に顔を出すのは来週いっぱいかな?」
悟の話によると、長期出張のついでに数日の有給休暇を数日貰い、少しゆっくりするつもりらしい。
まぁ、こっちには古くからの友人も沢山居るし、両親だって居る。
今まで忙しかった分、少しくらい羽を伸ばしたって罰は当たらないと思う。
「そっか……、少しはゆっくり出来るみたいで良かった」
こっちに着てから休みナシの働き詰めだったのは一緒に仕事をしていた私が一番知っていて、ちょっと心配だっただけにホッとした。
「ああ、色々と気持ち的にも整理つけたかったし、ちょうど有給取れて良かったよ」
悟の意味ありげな台詞に私の鼓動は高鳴り、悟に目線を移すと目と目が合ってしまった。
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