想いのカタチ

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――… ―… 「おい、咲穂。行きたいところって本当にココ?」 戸惑うユキに私は「そう」と軽く笑って答えると、キョロキョロと辺りを見渡しだす。 「誰かと待ち合わせ?それとも誰かを探してるのか?」 私につられる様にユキも辺りを見渡しだす。 「うん。確か、そろそろ来るはずなんだけど……」 ユキが不思議がるのも仕方ないかった。 休日に久しぶりの外出に私が選んだ場所は空港だった。 しかも、まだ眠そうにしているユキを半ば強引に連れ出し、ココにいる。 「そろそろ来るって誰が?」 「うん……。あ、来た!」 ユキに聞かれ答えにくく口ごもっているとタイミングよく私の目的の人が姿を現した。 向こうも私の姿に気づき、軽く手を上げ合図してくれたが、隣に居るユキからは重々しくため息をつくのが感じられた。 見なくても分かるくらいユキの方からはピリピリとした空気を感じ、私の緊張は高まってゆく。 「おはよう。昨日、時間を訊いてきたから見送りに来てくれるのだと思ってかけど、まさか夫婦揃って見送りに来てくれるなんて」 私たちの前で足を止めると悟は、ちょっと複雑そうに苦笑いを見せた。 そう。私が探していたのは悟で今日、こっちでの仕事を終え向こうに戻ると訊き待ち伏せしていたのだった。 .
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