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後悔と反省 #2
――咲穂!?
携帯の振動音に咄嗟に、そう思い過剰に反応してしまった。
でも先程の出来事を思い出し咲穂のはずはないと、すぐに思い直す。
じゃあ、誰だ?
咲穂のわけないと、気持ち的に億劫になるが相手を確かめるべく携帯の方に足を進める。
いっそ途中で鳴り止めばいいのにとも思ったが、しつこいくらいなり続ける音に渋々、手に取り開く。
瞬間、目に飛び込んできたのは咲穂の名前で自分の目を疑ってしまった。
どうして?
何で?
掛かってくるわけがないと思っていた相手からの電話。
自分でも分かるくらい動揺して、なかなか電話に出ることができなかった。
「――はい……」
半信半疑の気持ちで様子を伺うように出てみる。
咲穂の電話にこんなにも緊張したのはどのくらい振りだろう。
「あ、各務さんですか?」
でも返ってきた声に咲穂ではなく別の人で……
余りに予想外な相手に俺は驚き言葉を失ってしまった。
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