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いつもは無表情なお義父さんの顔も心なしか緩んだ気がした。
待ちに待った初孫に喜ばない親はいない。
それだけお義姉さんの妊娠は家族に喜びをもたらしたのだ。
分かってる……
分かっている。
両親がどれほど孫の顔を見たがっているのかを。
いずれは、とは思うが結婚してまだ一年余り。
お互い仕事もあるし、なにより咲穂と二人だけの生活を楽しみたい気持ちもあった。
仕事を続けたいと言ったのは咲穂。
でもソレを許したのは俺。
でもソレが咲穂をこんな形で傷つけてしまうなんて思ってもみなかった。
―――ごめん……
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