異変

4/19
前へ
/35ページ
次へ
――… ―… 「……穂、咲穂」 肩を揺さぶられ気づくと目の前にはユキの顔が合った。 「――え?あ、ごめん寝てた」 ユキを待ちつつソファーの足元に座りテレビを見ていたはずなのに、いつのまにか寝ていたことに気づく。 「別に待ってなくていいから。寝るなら、ちゃんとベッドで寝ろって言ってるだろ?」 私の傍らに座りネクタイを緩めながら少し困った顔のユキが笑う。 「大丈夫。少しウトウトしてただけだから……」 慌てて身体を起こすと夕飯を温めようとキッチンへと足を向ける。 「うたた寝したにしろ、こんな所で寝たら風邪引くだろ?」 「心配し過ぎ!身体だけは丈夫なんだから」 妙に過保護なユキにを笑い飛ばすと、味噌汁を温めている間に冷蔵庫からビールを出しユキに手渡す。 そんな私にユキは納得がいかないと言った顔でビールを受け取り、静かに席に着いた。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

889人が本棚に入れています
本棚に追加