889人が本棚に入れています
本棚に追加
※
――…
―…
午前1時。
仕事を終え、風呂から上がった俺は冷蔵庫からビールを取り、寝室へと向かった。
―――疲れた……
湯船に浸かったおかげか疲れは幾分かは軽減された気はしたが、やっぱり怠い。
ビールを空け一口飲みながら寝室のドアを開けると、消えているはずの部屋の明かりが煌々と灯っていた。
「咲穂?」
起きているにしては遅すぎる時間帯で不思議に思いながらベッドの方を見ると布団も着ないでベッドにうつ伏せている咲穂の姿があった。
「咲穂!?」
慌てて咲穂に駆け寄ると聞こえてくるのは規則正しい呼吸音。
余程、眠たかったのか髪は濡れたままで、ベッドの足元に髪に巻いていたであろうタオルが落ちてきた。
「ビックリさせるなよ……」
安堵のため息をつきながら咲穂の傍に座り込んだ。
だから待ってないで寝ていろって言っているのに、濡れた髪のままこんな風に寝てしまっては本当に風邪をひいてしまう。
.
最初のコメントを投稿しよう!