889人が本棚に入れています
本棚に追加
髪の方は殆ど乾いているのを確認し、咲穂の身体を少し動かし布団を掛ける。
「どんだけ眠いんだよ」
ベッドの脇に腰掛け、ピクリとも反応しない咲穂に失笑する。
季節の変わり目のせいなのだろうか。
最近は仕事も落ち着いたと言っていたはずなのに、ココのところずっと眠そうにしている姿を見ているような気がする。
まあ、眠れるときに眠るのは悪い事じゃない。
ただ、こんな風に寝て風邪を引くのだけは勘弁してほしい。
軽く頭を撫で指を噛みに滑らせると、くすぐったのか咲穂が小さな唸り声と共に頭を少し振りだす。
その仕草が可愛くて、もっと意地悪してやろうかとも思ったが咲穂があまりにも気持ち良さそうで可愛そうになり止めておくことにした。
代わりに布団に潜り込み咲穂を引き寄せる。
「やっぱり身体冷えてるし……」
暖を与えるように咲穂の身体を抱きしめ、ゆっくりと目を閉じた。
.
最初のコメントを投稿しよう!