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朝の目覚めは最悪だった。
昨日、髪を乾かさずに寝てしまったせいで頭がすごいことになっていて、妙な気だるさが身体にまとわりついていた。
ベッドに入った記憶はなく、最後におぼえているのはベッドの上にうつ伏せに倒れ込んだこと。
「風邪、引いちゃったかな?」
鼻をすすり、いつの間にかベッドの上でうたた寝してしまった事を深く反省した。
「咲穂、風邪引かなかったか?」
身支度を整えたユキが寝室から顔を覗かせる。
「うん、大丈夫」
多少の怠さは感じるが、さすがに風邪っぽいかも、なんて言えるわけもなく平気なふりをする。
「寝るならちゃんとベッドで寝ろって言っただろ?」
案の定、ユキか小言をいただいてしまい、苦笑いを漏らす。
そして朝一で会議があるというユキを見送り、片づけもそこそこに私も会社へと急いだ。
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