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「咲穂さん風邪ですか?」
給湯室で家から持ってきた風邪薬をコッソリ飲んでいる所をタイミング悪く志帆に見られてしまった。
「うん、ちょっと風邪気味っぽいから予防で」
早めに予防しておかないと悪化してしまっては後が怖い。
「最近、寒いですもんね。気をつけないと、すぐに風邪引いちゃいそうですよね」
「そう!それなのに昨日、お風呂上りに髪も乾かさないままうたた寝しちゃって、朝から怒られちゃった。最近、寒いせいか、やたら眠いんだよね」
今朝のユキを思い出し肩をすくめながら苦笑いを漏らす私に志帆が変な顔をして見てきた。
「何?―――どうしたのよ」
志帆の様子に怪訝そうな顔で見つめ返す。
「や、勘違いだったら、アレなんですが咲穂さん、もしかして妊娠とかしてませんよね?」
「妊娠!?」
思いもよらない志帆の言葉に驚きすぎた私は周りも気にせず声を上げてしまった。
「ちょ、咲穂さん声が大きいです」
そんな私を軽く窘め、手で口を覆ってきた。
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