異変

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大丈夫、とは言ったものの大丈夫なわけもなく、そのあと仕事が手につかなかったのは言うまでもない。 他人の目を盗んで恐る恐る自分のお腹に手をやる。 数時間前なら何でもない行為でも今は違う。 心なしかじんわりと手に温かみを感じるような…… 手をあてるソコに宿るものがあるような…… とにかくすごくホッコリと温かく不思議な感覚にとらわれてしまった。 ――ー本当に居るの? そう心の中で問いかけてみるが返事は返ってくるわけもなく一方通行。 嬉しさとドキドキと、そして微かな胸のざわつきを感じながら私は一日を過ごした。 定時を過ぎ、残業することなく帰路を急ぐ。 本当は病院へ行けばいいのだろうけど、行く勇気がなく真っ直ぐと家路に着いた。 「―――どうしよう……」 ソファーに深く座り、これからの事を考える。 勿論、ユキに言わなければいけないということは頭では分かっている。 でも本当に妊娠したという確証もないし、何よりユキが子供をあまり好きではないということが頭の片隅でずっと引っ掛かっていた。 .
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