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―――疲れた……
気づけば22時を回っていて、何時の間に帰ったのか分からなかったが事務所に1人だった。
静かな方が仕事に集中できるが、一息ついたせいで一日の疲れがドッと背中に圧し掛かってきた。
一気にやる気も失せ、とりあえず家に帰ろうと思い、帰路に着いた。
「ただいま」
玄関のドアを開け疲れた声で言ったが咲穂の声は返ってこない。
靴を脱ぎながら部屋の明かりが点いている事は確認することができた。
―――また眠っている?
「咲穂?」
呼びながら廊下を歩きドアを開けたがキッチンにも、いつも居るソファーにも咲穂の姿はなかった。
「寝たのか?」
ネクタイを緩めながら寝室へと足を進める。
リビングとは違いベッド脇の間接照明のみ灯っていた。
そして視線をベッドの方に向けると薄っすらとベッドに横たわる咲穂の姿が目に入る。
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