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異変 #2
――…
―…
「ごめんね、急に呼び出して」
「ううん。連絡くれて嬉しかった」
朝、起きてすぐに相談したいことがあるからと容子にメールを送った私。
さすがに独身時代とは違い容子も家庭を持ち、前みたいに気軽には会えないと分かっていた。
でも容子はすぐに返事をかえしてくれ、急だったのにも関わらずその日のうちに会うことになったのだ。
待ち合わせは、いつもの居酒屋―――と言いたいが、もしかしたら妊娠している可能性があるためなるべくタバコや空気の悪いところは避けたかった。
で、来たのが以前から一度は来てみたかった落ち着いた和食のお店だった。
「でも珍しいわね。咲穂がこんなところを指定するなんて……」
席に座った容子が物珍しそうに店内をキョロキョロと見渡しだす。
「まあ、たまにはいいと思って……」
明らかに不振がられていると気づきながら、何となく笑って誤魔化した。
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